貴方へ③last 全ての人に捧げる歌

二羽の鳥がそれぞれ飛び去り 不在の巣が残る  だけどそこには見えない卵が 世界が未分化だったころに全ての源となった卵が そこに見えないでしょうか 見えないでしょうか いつか、樹木の上に立ち寄り 地平線をみましょう。 風に当たりましょう 遠くに見えるひとつひとつの 街あかりを、夜明けにみれたら 見えなかった卵が輝きだすでしょう。

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貴方へ②

貴方が、つれていってもらいたかった場所 広場でもなかった。 教会でもなかった。 樹木の上にある二人でいれる 巣だったのではないか。 枝を、土を、そして、見えない隠れた糸を絡ませながら、取り込みながら、ともに作り上げた巣。 そこから、地平線を見つめながら 風にあたりたかったのではないか。

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貴方へ① 心に浮かぶすべての人に捧げる詩

貴女は覚えているだろうか 朝、貴方に送った伝書鳩のは羽ばたく音を 貴女は、覚えているだろうか昼に貴女に送った伝書鳩のそっと貴女の手元にそっととまる感覚を 貴女は覚えているだろうか夜に送った伝書鳩の柔らかな羽根の温もりを 多くの街を見ながら、私の住んでる街から貴女の住む人街まで旅してきた鳩の羽ばたくリズム それは教会前の広場をとおる 人びとの息づかいと共鳴する。私はその…

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