痛みと創造 ―― 井枝尼 理出亜が見た「受身の決断」

痛みと創造 ―― 井枝尼 理出亜が見た「受身の決断」    鎌倉の冬の朝は、いつも少しだけ遅れてやってくる。  深沢の住宅街。まだ太陽が山の向こうで迷っている時間、理出亜は机の上の本を、ひとつずつ指先でなぞっていた。旧約聖書、生活保護法の条文集、FPのテキスト、英語のノート。どれも端が擦り切れ、付箋と走り書きで膨らんでいる。 「……基本的に、受身の人生、か」  昨夜、ノートに書きつけた一行が、ま…

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決断と受身 痛みを引き受ける

決断と受身  私は基本的に、受身の人生である。受け入れるか、否かだ。本当に自分で決断したことはあるかというと。今、自信がない。痛みを引き受けた ということで、労働組合を変えたこと。やめないこと、役員の端くれを続けてたこと。生活と健康を守る会を辞めなかったことそして、仕事のキャリア形成の不利益があっても、それを引き受けたこと。それを、誇りと思うことにする  その中で、試行錯誤して来た…

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星と祈りとパン──鎌倉から考える「地域で生きる」ということ

星と祈りとパン──鎌倉から考える「地域で生きる」ということ 鎌倉で暮らしていると、毎日の景色はとてもバラバラです。 観光客であふれる週末の小町通り、静かな平日の住宅街、通勤電車に揺られて東京へ向かう人たち。 その一方で、介護、病気、仕事の不安、家族のこと、生活保護や税金のこと…… 「生きること」が重くのしかかる場面もたくさんあります。 この断片的な世界を、少しでもつなぎ直したく…

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